バリ島の火葬式
バリヒンドゥー教の死生観
昨日はサヌール最大の火葬式がありました。
亡くなった方は、位の高いお坊さんという事で、
白牛の棺(バデ)の中でみんなに見守られながら火葬されました。(この棺は身分などによって形や色が変わります)
ちょうど先日の新月のお茶会で、バリ島のお葬式についてと、バリヒンドゥー教の死生観について話したところでした。
日本だと、黒い喪服で、悲しい、寂しい、後悔、苦しい、みたいな感情に包まれて、涙しますが、
バリ島は真逆で、白いクバヤで、盛大なセレモニーをします。
泣いてる人は1人も見当たりません。
観光で来た人がこの光景を見たら、結婚式と間違えてしまうでしょう。
死は、新たな人生の門出としてお祝いするものだし、
バリでは、火葬式こそが【人生最大の祝いの儀式 】と言われています。
「人は永遠に輪廻転生を繰り返す」こんな死生観をもつバリ人にとって、
死とは終わりを意味しません。
それを深い部分で理解している私は、お葬式で泣く事もなくかなり冷静でいられるので
周りから見たら冷たい人に見えるかもしれないけど、不思議と涙は出ないんです。
多分、日頃から後悔しない生き方をしているから悔んだり、深く悲しんだりしないのかな?
だから、バリ島のお葬式を見た時なんだか自分と同じ感覚だったのでホッとしたんです。
それは悲しいとか寂しいだけじゃない、別の視点で死というものに向き合って見てたから。
バリ人は、死んだ人は必ず生まれ変わると信じていて、
親族の一人として生まれ変わることを魂の深い部分で分かっています。
バリ人は亡くなった後仮埋葬され、(ホルマリン注射をして腐敗しないようにしておくそうです)
魂を浄化する儀式である火葬の日を待ちます。
火葬には莫大な費用がかかるため、死から数か月、時には数年かかることもあり、
遺族はその間お金を貯め、亡くなった当人はより素晴らしい霊になるために火葬されるその日まで修行するのだそう。
火葬の日に掘り起こされた遺体はゴージャスな神輿(ルンブー)に乗せられて、大勢で神輿を引きながら、家から村の聖なる火葬場まで移動する。
(photo by OCEANLIFEBALI)
この日は、バイパス道路も封鎖されての大移動です。
途中道の真ん中でぐるぐる回ったりするのは、死者の魂が間違って家に戻らないように、迷子にさせるため。
ガムランやバリ楽器が鳴り響く中、その光景はどうみても派手なお祭りにしかみえません。
火葬場に着くと、ルンブーからバデに遺体は移され、最後のお別れをした後火葬されます。
暗くて悲しいだけのお葬式の雰囲気は苦手なので、私の時もバリヒンドゥー教の様にお祝いのセレモニーにして欲しいなと思うほど、
とっても素晴らしいセレモニーでした。
皆さんも旅行中、火葬セレモニーに出会すかもしれません。
道路を塞がれ、長い時間待たされたりで、イラっとしちゃうかもしれないけど、
その時にはどうか、「これは人生最大のお祝いなんだ!!」とバリヒンドゥー教の人々への敬意の気持ちを、忘れないで下さいね。
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